はじめに
本記事は、新築マンション購入に伴い、築30年の自宅を売却した体験記の第2弾です。
大手不動産会社(A社)と専任媒介契約を結んだものの、1ヶ月以上も「内覧ゼロ」という厳しい現実に直面。作戦通り価格を6,480万円に値下げしたものの、3ヶ月でわずか2件しか内覧が入らないという停滞期を過ごします。
なぜ大手で売れなかったのか?契約満了を機にセカンドオピニオンを求めた私は、不動産業界がひた隠す衝撃の裏側に気づくことになります。
5. なぜ大手で売れなかったのか:レインズ「広告転載区分」の罠
契約満了に伴う面談で、私はA社に「この状況なので、他の業者の意見も聞かざるを得ない」とストレートに伝えました。A社の提案は「再度値下げをしてオープンルームを1回やりましょう」という、売主からすれば「また値下げか……」と気が進まないものでした。折り込みチラシの少なさに対する言い訳も目立ち、不信感が募ります。
だって、他のマンションには新規とか、価格更新とかの表記が一切ないんです。ということは、何回もチラシに掲載されているということですよね。筆者の物件は、新規と価格更新(値下げ)時の2回のみの掲載でした。
そんな時、セカンドオピニオンとして浮上したのが売主専門のエージェント制をとる「C社(旧SRE不動産)」でした。かつてA社から「近所の同価格帯の物件を右から左へ鮮やかに売った業者がある」と聞いていた会社でした。
C社の訪問査定(ここも上司と担当の2名体制でした)を受けて、私は衝撃的な事実を知ることになります。それがレインズの「広告転載区分」の問題です。
| 不動産会社の種類 | 広告転載区分 | 売主への影響 |
|---|---|---|
| 一般的な大手仲介(A社など) | 「不可」に設定 | 他の不動産会社がその物件を自社のネットやチラシに載せられない。自社で買主を見つける「両手取引(手数料2倍)」を狙うため、情報が囲い込まれる。 |
| 売主専門仲介(C社) | 「可」に設定 | 日本全国のあらゆる不動産会社が、自社のSUUMOやHPに我が家の物件を掲載して競うように買主を探してくれる。 |
C社は「価格は6,480万円で全く割高ではない。3ヶ月で内覧2件は少なすぎる」と断言。オープンルームについても「あれは売主に頑張っている姿を見せるためのパフォーマンス(売主対策)に近く、実際の顧客獲得効果は薄い」と驚くほど率直に業界の裏側を教えてくれました。
大手A社が必死に隠していた「囲い込み」の構造に気づき、私はC社への乗り換えを決意しました。
6. A社への断り電話と、不穏な「駆け込み内覧」
C社の担当者から「後々のトラブルを避けるため、しっかりお断りを入れた方がいい」とアドバイスされ、A社に断りの電話を入れました。電話は30分以上に及ぶ壮絶な引き止めとなりました。
- 「実績を出せず申し訳ない。ただ、他社に変えるなら実績のあるB社とかなら納得できるが、なぜC社なのか」
- 「C社は内覧に担当者が立ち会わないこともあり、お勧めできない」
- 「広告を『可』にすると、とんでもない悪質業者がおかしな広告を出すリスクがあるから、我が社は売主を守るために『不可』にしているんだ」
- 大手だと、あんしん保証サービスがあるので、売主も買主も安心できるけど、C社だとないですよね。
色々な大義名分を並べられましたが、私の中では「で、3ヶ月で2件しか内覧入れられなかったですよね?」という事実が全てでした。
更に、C社でも以前は、なかったらしいですが、あんしん保障サービスや、不用品の無料引取り(もちろん限度額があります)サービス等が、専任媒介の場合につくように変更されていました。
契約終了直前の「奇妙な内覧」
断りの電話を入れた直後、A社から「契約が切れる最後の土曜日に、滑り込みで内覧希望が入った」と連絡がありました。翌日の日曜日には新居への引越し搬出を控えており、家の中は段ボールだらけでしたが、断るのも気が引けるので受け入れることに。C社に相談すると、「この業界では、契約が切れる間際になると、引き止めるためにどこからか急に内覧を引っ張ってくるんですよね(笑)」と、業界あるあるのようでした。
この駆け込み内覧(3件目)は、ご夫婦とお子様でした。家の中は散らかっていましたが、クローゼットの中は空だったのでしっかり見てもらいました。買い手側の仲介業者からは「リフォームの詳細が不明で不安だったが、配管まで替えてあるなら安心だ」とリフォーム内容を大絶賛されました。
しかし、結果はNG。理由は「専有部は最高だけど、マンションの共用部(ロビー)の照明が暗いのが奥様的にNG」というものでした。(確かに最近LED化で省エネ気味になっていたのですが、そんなところを見られるとは……と、不動産売却の難しさを痛感しました)。
壮絶な引き止めをかわし、ついに売主専門のC社への乗り換えを決意。この選択が、膠着していた売却活動を信じられないスピードで大逆転させることになります。
この記事は筆者の実体験に基づく情報提供を目的としています。不動産売買・税務に関する判断は、専門家にご相談のうえ、ご自身の責任で行ってください。


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