購入直後にまさかの事態!?新築タワーマンションを急遽「賃貸運用」に回した私のリアルな体験談【賃貸編】

マイホーム体験記

はじめに

せっかく購入した新築マンションなのに、諸事情で自分たちが住めなくなってしまった――。

そんな「まさか」の事態に直面したことはありますでしょうか。実は私自身、過去にそんな経験をしました。一時は「手付金を放棄してキャンセルするしかないか……」と絶望しかけましたが、結果的に「賃貸に出す」という選択をしたことで、資産運用としての貴重な学びを得ることができました。

今回は、私が首都圏の新築タワーマンションを急遽賃貸に出し、大家さんとして運用した約4年半のリアルな実体験をお届けします。


1. 購入したマンションのスペックと「住めなくなった」あの日

当時、私が平日の通勤時間を短縮する目的で購入したのは、以下のような物件でした。

  • 立地: 首都圏のターミナル駅からすぐの大規模タワーマンション(1000戸弱)
  • 間取り・階数: 50㎡を超える大きめの1LDK(30階建ての25階)
  • 購入価格: 3000万円台前半

自身は現金で購入したのですが、将来的に売却することも視野に入れ、あえて「登記上で50㎡以上」という住宅ローン減税処置の対象となる広さを選んでいました。

(※当時は50㎡以上が必須要件でした。現在は40㎡以上に緩和されていますが、所得制限などがあるため、やはり50㎡を超えている物件は売りやすさの面で今でも強いアドバンテージになります。

しかし、「さあこれから新しい生活が始まる!」というタイミングで、個人的な理由によりどうしても居住できなくなってしまったのです。

断腸の思いで、販売会社の担当者へ「手付放棄によるキャンセルをしたい」と電話連絡を入れました。


2. 販売会社からの目からウロコの提案「賃貸に回しませんか?」

キャンセルの連絡を入れた私に対し、担当者の方は親身になってこう提案してくれました。

「事情を考えるとキャンセルはやむを得ないかもしれませんが、当座の資金的に問題がないのであれば、手付金を放棄するのではなく『賃貸』で運用してみてはいかがでしょうか? 弊社には賃貸部門もありますので、一度話を聞いてみてください」

その後、賃貸部門の担当者も交えて話し合いを実施。そこで目からウロコの情報が次々と飛び出します。

  • ターミナル駅至近のため、外資系を含めて賃貸需要は非常に旺盛であること。
  • 国内大手企業でも「借り上げ社宅」として15万円程度まで補助が出る場合がもあるとのこと。
  • 自己負担が数万円であれば、15万〜20万円弱の家賃設定でも新築タワマンなら早期入居が十分見込めること。

実際に、敷地内の別棟では私と同じ間取りの低層階物件がすでに賃貸に出ており、すんなり入居が決まっている状況でした。資金的に切羽詰まっているわけではなかったため、私は手付放棄を踏みとどまり、「購入してそのまま賃貸に出す」という決断を下したのです。


3. 【実体験ノウハウ】賃貸に出すための準備と「家賃・管理費」の知られざる仕組み

9月の鍵の受領と同時に、いよいよ賃貸契約を締結。ここからは、実際に動いてみて分かった「大家としてのリアルな学び」をご紹介します。

① エアコンはオプション不要!量販店の特売品で十分

賃貸部門の担当者からの助言は非常に合理的でした。 「賃貸に出すのに、高額なインテリアオプションは不要です。ただしエアコンは必須。1台あれば十分ですが、賃借人の方がマメに掃除してくれるとは限らないので、トラブル防止のために『お掃除機能付き』を選んでください。メーカーの良い機種である必要はなく、家電量販店の特売品で十分ですよ」

このアドバイスは、室内から室外に出る配管の経路が単純にストレートで出ている設計だったこともあると思います。先行配管を壁内に施工済みの場合、家電量販店での標準工事費内で収まらないため、面倒がって受け入れてくれないケースもあるからです。

筆者のケースでは、室内と室外の配管カバーは必要になりますが、配管工事自体は単純なため、家電量販店で問題なく対応してもらえるとのことで、特売のエアコンを購入して取り付けました。

② 知っておきたい「家賃」と「管理費」の微妙な仕組み

私は総額170,000円(家賃163,000円+管理費7,000円)という設定にしました。 実は、募集時の「管理費」をいくらにするかは貸主の自由です。実際に管理組合に支払う管理費と同額である必要はありません。

借主が支払う総額が同じなら、一見どちらでも同じように思えますが、実はここがポイントでした。

  • 敷金・礼金の基準: 一般的に「家賃の〇ヶ月分」となるため、家賃部分が高い方が初期費用が高くなります(私の場合は家賃16.3万円ベースで2ヶ月分=32.6万円をいただきました)。
  • 仲介手数料の基準: 不動産仲介会社へのお任せ手数料(家賃の約5%)も、家賃部分をベースに計算されます。

総額が同じでも、内訳(家賃と管理費のバランス)によって、初期費用や毎月の手数料が少し変わってくるのです。私は契約当時はよく分かっておらず適当に設定してしまいましたが、後から帳簿を付けている時に初めてこの仕組みに気づきました。

【プチ節約術】 家賃は仲介業者の手数料を引いて振り込まれますが、振込手数料は貸主(自分)持ちです。業者のある都心の支店と同じ銀行・支店に口座を開設したところ、支店間振込になり手数料を少しだけ節約できました。賃貸専用の口座にすることで、収支が分かりやすくなったのもメリットです。


4. 新築タワマンの需要を実感したスピード成約と、初めての確定申告(青色申告)

9月の引き渡し後、不動産仲介会社のホームページに物件が掲載されました。本当に直ぐに賃借人が決まるだろうかと不安でしたが、直ぐに、何件かの引き合いがあるとの連絡が入りました。

その中で、強くお勧めするという、10月半ばからの入居希望者の連絡が入りました。

お相手は、大阪に本社がある企業の役員の方。東京出張時の社宅として利用されるとのことでした。「単身」「海外出張が多い」「法人契約」という、部屋を綺麗に使ってもらえて家賃滞納リスクも極めて低い、大家としてはこれ以上ない最高の条件だったため、即座にお貸しすることを決定しました。

Excelマクロで自作した帳簿と、減価償却の戦略

翌年からは、青色申告(10万円控除)のための確定申告が始まりました。 それほど複雑な仕訳ではないため、私はExcelマクロを自作し、仕訳帳に入力すれば各帳簿が自動作成できるシステムを構築して記帳を行いました。

申告にあたって工夫したのが「専有部設備の減価償却」です。 建物本体の構造部分は47年での償却となりますが、給湯器などの専有部設備が47年も持つはずがありません。税務署の相談会で「合理的に説明できれば別枠で償却しても問題ない」との回答をもらったため、設備分を15年償却として処理することにしました。

  • メリット: 賃貸運用中の経費(控除額)が大きくなり、毎年の所得税を抑えられる。
  • デメリット: 帳簿上の価値(簿価)が早く下がるため、将来マンションを売却する時に「売却益(譲渡所得)」が大きく膨らみ、売却時の税金が高くなる可能性がある。

メリットとデメリットの表裏一体な関係を理解した上での選択でしたが、特に税務署からの問い合わせもなく、スムーズに確定申告を終えることができました。


5. 順調だった運用の終わりは、突然に

その後、2年目の更新連絡の際も家賃は同額でスムーズに更新。非常に順調な賃貸運用が続いていました。

しかし、4年目の更新時に少し変化が訪れます。築年数が経ってきたことを理由に、借主側から「家賃の値下げ要請」が届いたのです。 こちらとしては需要に自信があったため交渉を拒否したところ、お相手もギリギリまで悩まれたようですが、最終的には同額で更新となりました。

しかし、その半年後。 突如として「退去する」との連絡が入ったのです。


おわりに:気になる「4年半のトータル収支」は……?

こうして、急なトラブルから始まった私の初めての「賃貸大家さん」経験は、約4年半で突如として幕を閉じました。

空室になった部屋を前に、次も賃貸に出すか、それとも売却するか……。築5年という節目を迎えた私が下した決断は、「売却」でした。

ここで皆さんが一番気になるのは、「結局、4年半の賃貸運用でいくら手元に残ったの?」というリアルなお金の話ではないでしょうか。

大まかな数字を振り返ると、

  • 家賃収入: 月17万円 × 約4年半 = 約918万円
  • 主な経費: 管理費(月約1.7万円)、仲介会社手数料(月約9,400円)、最初のエアコン代など

これらを差し引くと、計算上は「約750万円のプラス」になります。

ただし、これがそのまま丸儲けになるわけではありません。ここから減価償却や青色申告控除を適用したあとの利益に対して、しっかり所得税が引かれます(所得税は本業の収入と合算されるため人それぞれですが、インパクトは無視できません)。

そして何より、この投資が「大成功」だったのか「トントン」だったのかを決めるのは、築5年で手放したときの「実際の売却価格」です。

3000万円台前半で購入した新築タワマンは、4年半の賃貸を経て、一体いくらで売れたのか――?

次回の【売却編】では、誰もが気になる「トータル収支の通知表」と、売却活動のリアルを包み隠さず大公開します。どうぞお楽しみに!

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