「50代でマンションをフルリフォーム:費用・業者選び・仮住まいの実体験」

マイホーム体験記

はじめに

そろそろ定年が近づいてきた50代後半の頃の話です。

新築で購入したマンションも、築25年にもなると設備の老朽化や、水回り、壁紙、床の汚れが目立つようになります。「このマンションに住み続ける選択肢もあるけれど、売却して住み替えをするならば、築30年になる前の方が売りやすいのかな」と漠然と考えておりました。

良い物件があればと、何件かの新築マンションのモデルルーム見学をしていたものですから、我が家の旧式の設備とのギャップも、より感じるようになったこともあったと思います。

すぐに気に入ったマンションがあったわけではなく、住み替えを現実的に考えていたわけではないですが、リフォームの方は少し調べざるを得ない状況が発生していました。給湯器のリモコン(キッチン側)の調子が悪くなってしまったのです。お風呂場のリモコンは使えたので不便ながらもお湯は出せましたが、いちいち風呂場まで行くのは面倒です。

調べてみると給湯器の寿命は10年程度のよう。25年経った給湯器があと何年持つかと考えると、丸ごと買い替えた方が良いかなと思って調べ始めました。

すると、「水回り4点セットで75万〜100万」といった広告や、壁紙・床の張り替えの安価な広告がどんどん目に付くようになります。そうこうしているうちに、住み替えをより現実的に考えるきっかけが起こったのです。


1. 住み替えとリフォームを現実的に考えたきっかけ

自分で住む予定で2件目のマンションを購入していたのですが、事情があって住めなくなってしまい、賃貸に出していました。その賃貸人が「4年半」で退去することが決まったのです。

マンション売却時の税金は、5年保有していると安くなります。つまり、この2件目のマンションを売却するチャンスがまもなく訪れるということ。売却して資金的に余裕ができれば、今の自宅の住み替えやリフォームも現実味を帯びてきます。

売却するにしても、「フルリフォームしてしまった方が、高く、そして早く売れるんだろうな」と漠然と考えていました。実際、業者が買い取ってリフォームして販売している実例の方が圧倒的に多いのが現実です。この実態を見ると、わざわざ期間とお金をかけてリフォームした方が、利益が大きくなるということを明確に示しています。

売るかは決めていない状態でしたが、仲介業者に声をかけて訪問査定に来ていただきました。その際、リフォームに関するプロの意見を総合すると以下のような感じでした。

  • 中途半端なリフォームは、やらない方が良い。(例:キッチンだけ変えても、リビングが古い内装のままだとリフォーム分を高く売れる可能性は低い)
  • リフォームしないで低価格で売り出すのもあり。(購入後に自分の好きなようにリフォームしたい顧客も多いため)
  • もしリフォームをするならば、全面リフォーム。(ただし個人で大金をかけてリフォームするのはリスクが大きくお勧めはできない)

キッチンだけ綺麗になっても高く売れない、というのは実感できる説明でした。

しかし、将来の売却まで視野に入れるならば、中途半端ではなく思い切って「フルリフォーム」をしてしまおうと考えて、業者探しをスタートしました。


2. リフォーム業者3社の見積もり比較と選定

有名どころは高く、安すぎるところは心配になります。結果的に、以下の特徴を持つ3社から見積もりをとりました。

  • A社: 大手だが比較的安価な会社
  • B社: 再販マンションのフルリフォームを手掛けていて、個人向けも行っている会社
  • C社: 個人向けリフォームの専業会社

我が家は昔のマンションなので「直床でカーペット敷」です。さらに和室があり、そこだけ少し高くなっていました。

私の希望は、「和室を洋室に変更して段差をなくす」「押入れを良い感じの収納にする」「カーペットをフローリングに変更」「壁紙張り替え」「水回りの全交換」です。

3社の対応や見積もり結果は以下の通りでした。

業者特徴・提案内容価格
A社スケルトンにしてリフォーム。押入れはそのまま奥行きの深いクローゼットにする提案。※当初は2重床の予定だったが、社内検討で不可となり直床へ変更に。一番高い
B社床材は全部交換、配管も交換。間取り変更しない部屋の壁材は残してコストを抑えるカスタム仕様。和室を4畳半にしてリビングを広くする提案や、押入れをなくして反対側の洋室のクローゼットを広くする提案あり。近所の施工事例も見学させてくれた。中間(600万円弱)
C社間取りはそのままで、床材・壁紙・水回りを全部交換。押入れはそのままクローゼットにしたシンプルな内容。一番安い

我が家が「B社」を選んだ理由

選んだのは、B社です。当時の価格で600万円弱で、予想よりも安価だったし、押入れ部分の変更内容など提案内容が一番良かったです。
600万円もかけてリフォームするかは悩みましたが、賃貸人が退去したマンションで売却益が出そうだし、そこを仮住まいにできるので、思い切ってリフォームをしてしまおうと、決断しました。


3. ショールームで選んだこだわりの水回り設備

定額リフォームでなく、自由に選択できるリフォームを選んだので、水回りの仕様を選べるのも楽しかったです。予算内に収められる型番を教えてもらって、実際にショールームへ行って選ぶという感じです。

浴室:パナソニック(Panasonic)

スケルトンリフォームではなく、自由に設備を選択できるプランを選んだので、水回りの仕様選びはとても楽しかったです。予算内に収まる型番の範囲で、実際にショールームへ行って実物を選びました。

プラン事例集 | 住まいの設備と建材 | Panasonic

プラン事例集 | 住まいの設備と建材 | Panasonic

洗面台:リクシル(LIXIL)「LC」

浴室はパナソニック製にしました。縦型のLED照明を採用し、一段階だけですがスイッチで暗めに雰囲気を変更できるものにしています。壁の柄や浴室の形なども、ショールームで相談しながら決めるとリフォーム業者に渡せる「仕様表」を出力してくれるのでスムーズでした。

洗面台はリクシル製にしました(当時のLCという形式です。現在は廃盤になっていますが情報は容易に検索できます)。自由設計だったので、収納に加えて、体重計(ヘルスメーター)をスッキリ仕舞える「体重計収納スペース」が下側にあるタイプを選びました。

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キッチン収納:リクシルの優秀なスライドストッカー

浴室のパナソニックに加えて、キッチン収納にはリクシルの仕様を取り入れました。特に良かったのが、スライドストッカー(アシストポケット・シェルフ付)です。新築マンションの標準仕様でもここまでのものはなかなか見かけないと思います。

内側の写真がなくて恐縮なのですが、引き出しを開けると手前のポケットが連動して斜めに開き、包丁やラップがサッと取り出せます。さらに内部がシェルフ(棚)で2段に分かれているため、深い引き出しにありがちな「上の空間がもったいない」「モノが重なって取り出しにくい」というストレスが一切ありません。

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リフォームでキッチンを選ぶ際は、こういった「毎日の料理がラクになる内部の収納力」に注目してみるのが本当におすすめです。


4. リフォーム打ち合わせ・施工中の注意点とトラブル対策

実際にリフォームを進める中で、気づいて良かった点やトラブルなどの反省材料もありました。

仕様表(見積資料)の細かいチェックは必須

非常に細かい仕様表をもらうのですが、これは隅々までよく見る必要があります。

私が気づいて改善できたのが「建具のハンドル(ドアノブ)」です。最初は塗装仕上げになっていたのですが、我が家の古いドアノブは塗装が剥げかかっていたため、価格が上がってもいいから「メッキ仕上げ」にしてほしいとお願いしました。

結果、設計部署と見積部署の意思疎通のエラーだったようで、「メッキになっていませんでしたか?すみません」と無償でメッキ仕上げに変更してもらえました。気づかなければそのままだったので、確認は本当に大切です。

工賃が変わらないなら「アクセントクロス」がおすすめ

仕様の最終確認段階で、洋室の1面だけを「アクセントクロス」にする提案を受けました。まとめてクロスを張るため工賃は変わらず、クロス代だけの微増だったためお願いしたのですが、これが大正解。のちの売却時の内覧でも、非常に好評でした。

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仮住まいへの引越しと反省点

会社員をしながらの引越しだったため、梱包作業だけを依頼するパックにしました。

反省点としては、「何がどの段ボールに入っているか」を細かく書いておかなかったことです。仮住まい先で必要なものを探すのが大変で、結局次々と開梱するか、安いものなら新しく購入する羽目になってしまいました。

なお、引越し料金は「行きも利用した」と伝えたことで、帰りの料金(楽々パックでない分も含め)をかなり安くしていただけました。

施工中のトラブルと業者の対応

リフォーム期間は約1カ月半。ただ、現場の作業は押していたようです。日曜日に郵便物を受け取りに部屋へ行ってみると、管理組合には「日曜は作業しない」と申請しているにもかかわらず作業をしていました。B社にクレームを入れ、進捗の再確認を求めたところ、それ以降は定期的に進捗報告が届くようになりました。

また、ベランダに置いておいた物干し竿と物入2個が、業者間の連携ミスで勝手に廃棄されてしまうトラブルもありました。怒りはありましたが、同等品を新品で用意してもらう対応となり、自分で購入する手間が省けて結果的にはラッキーでした。


5. まとめ:失敗しないリフォーム業者選びの個人的見解

細かなハプニングはありましたが、トータルの出来栄えや、施工中の写真・検査結果をきちんとファイルにまとめて提出してくれた点を考えると、B社にして本当に良かったと感じています。売却時にも「配管まで交換済み」であることを写真で買主に示せたため、大きな安心材料になりました。

残念ながら、我が家を手掛けたB社は現在個人向けリフォーム事業から撤退してしまっているようですが、今回の経験から、これからリフォームを検討する方へ、業者探しのコツを個人的な見解としてまとめます。

  • 大手は安心感があるが、営業と実務者が異なる場合もあるので注意が必要。
  • 「マンション再販用(業者の買い取り再販)」のリフォームを多く手掛けている業者は、コストパフォーマンスが高くおすすめ。
  • 見積もりをできるだけ細かく出してくれて、その内容を詳しく説明してくれる業者を選ぶ。
  • 建材や機材の選択肢を確認し、自分が選びたいものが選べるプランかチェックする。
  • リクシル、パナソニック、TOTOなどのショールームは、見積もりを依頼する前に見学しておく。事前に実物を見ておくことで、見積もりへの理解度や調整の質が劇的に上がります。

これからマンションのフルリフォームを考えている方の参考になれば幸いです。

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