はじめに
今回は、私が30代(平成の初め頃)に初めて新築マンションを購入したときの実体験を、3回に分けてお話しします。
現在では、スマートフォンで簡単に物件を検索でき、不動産会社とのやり取りもオンラインでできる時代になりました。
しかし、当時はまだインターネットが普及しておらず、物件探しの方法も住宅ローンの仕組みも、現在とは大きく違っていました。
第1回では、マンション購入を決めたきっかけ、情報収集、モデルルーム巡り、そして当時の住宅ローン事情について紹介します。
このシリーズの記事
- 第1回 インターネットがない時代の家探しと住宅ローン選び(この記事)
- 第2回 契約後の住戸変更と、初めて知った「つなぎ融資」の仕組み
- 第3回 35年ローン返済と完済までの出来事
1. きっかけは会社の移転。分厚い「住宅情報誌」が情報源
マンション購入を考えるきっかけになったのは、勤務先の事業所が移転することになったことでした。
私と家族の通勤を考えると、住む場所を見直す良いタイミングだと思い、「どうせならマンションを購入しよう」と考えるようになりました。
当時は、現在のようにインターネットで条件を入力して物件を探すことはできません。
主な情報源は、駅などに置かれていた「住宅情報誌」でした。
今では考えられませんが、この住宅情報誌はかなり分厚く、ページをめくりながら沿線や価格帯を比較して物件を探していました。
その情報をもとに、いくつかのモデルルームを見学しました。
候補にしたのは、主に以下のような物件です。
- 山手線から一駅目にあるマンション(2物件)
→ 利便性は非常に高いものの、価格は安くありませんでした。 - 勤務先の最寄りターミナル駅に近いマンション
→ 通勤には便利でしたが、価格は同等以上でした。 - その中間にある快速停車駅のマンション
→ 価格とのバランスは良かったものの、当時はまだ周辺開発が進んでおらず、少し落ち着いた雰囲気でした。
比較検討した結果、利便性を重視して「山手線から一駅目のマンション」を選択しました。
2. 決め手は「実際の部屋」で確認できた防音性
購入を決めたマンションは、一般的なモデルルームではなく、建築中のマンションの一部を事務所兼モデルルームとして利用していました。
実際の建物の中を見ることができたため、完成後の生活をイメージしやすかったことを覚えています。
このマンションは幹線道路沿いだったため、価格は少し抑えられていました。
ただし、道路側は北側で、南側には2階建ての建物しかありませんでした。
将来的に南側へ3階建てが建つ可能性も考え、5階の部屋を選択しました。
購入した部屋は、約70㎡弱の3LDKで、価格は4,700万円でした。
決め手になったのは、実際の部屋で確認できた防音性でした。
南側のリビングは、サッシを閉めると外の音がほとんど気になりませんでした。
また、幹線道路側の部屋も2重サッシになっており、騒音対策がしっかりされていることを実際に確認できました。
カタログや説明だけではなく、自分自身で確認できたことが購入の安心材料になりました。
3. 金利6%の時代。住宅金融公庫を選んだ理由
購入を決めた後は、当然ながら資金計画を考える必要があります。
当時の購入価格は4,700万円(その後、住戸変更により5,090万円になりました)。
30代で35年ローンを組むことは、これから長期間返済していく大きな決断でした。
現在では、ネット銀行を含めて住宅ローンの選択肢は非常に多くあります。
しかし、当時は今ほど多くの選択肢はなく、住宅購入といえば「住宅金融公庫を利用する」という人が多い時代でした。
私の場合、公庫より少し低い金利で利用できる社内融資制度もありました。
ただし、社内融資を利用するには、金利6%の社内預金を全額解約しなければなりませんでした。
私は限度額いっぱいの1,000万円を預けていて、半年に一度、税引き後で約24万円の臨時ボーナスのような利息をもらえていたのにです。
当時の比較を簡単にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 社内融資 | 住宅金融公庫 |
|---|---|---|
| 住宅ローン金利 | 公庫より少し低い | 約3%台 |
| 社内預金6% | 全額解約が条件 | そのまま継続可能 |
| 私の選択 | 利用せず | 利用 |
住宅ローンの金利だけを見ると社内融資の方が有利でしたが、社内預金の利息まで含めて考えると、公庫を利用した方が私にはメリットが大きいと判断しました。
当時の金利環境だったからこそできた選択でしたが、私としては納得できる資金計画だったと思っています。
4. 第1期申し込みで無事に購入決定
マンションの第1期販売では、希望していた部屋には競合がなく、無事に購入することができました。
他の部屋では抽選になっているところもありましたが、私の場合は運良くスムーズに決まりました。
こうして、初めてのマンション購入への第一歩を踏み出すことになりました。
しかし、その後、契約後に思わぬ住戸変更の話が出てきます。
さらに、当時ならではの「つなぎ融資」や入居時の手続きなど、初めて経験することが次々とありました。
第2回は、地権者住戸への変更、今では考えられない先着順受付の話、そしてつなぎ融資や入居時の手続きについて紹介します。
このシリーズの記事
- 第1回 インターネットがない時代の家探しと住宅ローン選び(この記事)
- 第2回 契約後の住戸変更と、初めて知った「つなぎ融資」の仕組み
- 第3回 35年ローン返済と完済までの出来事


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